石垣島で見られるマンタはナンヨウマンタと呼ばれる種類のマンタです。以前はマンタは1属1種とされオニイトマキエイと呼ばれていましたが、現在は1属2種に分類され外洋性の大型のマンタをオニイトマキエイ、沿岸域に生息する体長5m未満のやや小振りなマンタをナンヨウマンタと呼び区別されています。
マンタと呼ばれる属の括りはエイ目トビエイ科に属する世界最大のエイの仲間です。石垣島周辺で見られるマンタ(ナンヨウマンタ)は3~4mくらいのサイズが主ですが、世界的に見ると大きなもの(オニイトマキエイ)は体長6~7mにまで成長します。全世界の熱帯から亜熱帯のサンゴ礁域の、暖かい潮通しのいい海に生息し、表層から中層を遊泳しながら暮らしています。
マンタの主食はプランクトン類です。外観的な特徴になっている目の下の口ヒレ(頭鰭)を糸巻き状に巻いて海水ごとプランクトンを捕食します。
マンタのお腹の模様は、人間の指紋と同じように個体によってことなり、この模様を用いてマンタの個体識別も行われています。石垣島周辺に現れるマンタの累計個体数は300匹以上といわれています。
マンタのポイントとして世界的にも有名な川平石崎(マンタスクランブル・マンタシティポイント)は、石垣島の北西部に面しています。
マンタポイントには、季節を問わず通年マンタが現われますが、個体数・遭遇率とも大幅にアップするのが9月~11月に掛けての秋のシーズンです。そのため、一般的には9月~11月にかけての秋の時期がマンタのベストシーズンと言われています。
あくまでも自分の個人的見解(?)ですが、さらにシーズンを絞りこむと、10月半ばから11月初旬くらいが1ダイブ中に見れるマンタの個体数はNo1だと思います。1ダイブ中に10匹以上のマンタに逢えるのはザラで、多いときだと20匹前後のマンタにも逢えるベスト・オブ・ベストなシーズンです。長年、石垣島でダイビングガイドをしていますが、ガイド中にも関わらずついつい熱くなってしまうのがこの時期です。前後左右、上下、あらゆる方向から矢継ぎ早にマンタが現れるので、正真正銘マンタのスクランブル状態が楽しめます。