サンゴ礁とホシズナ・・・水清ければ?
海の生き物ブログ2007年1月13日
天気:曇り 風:北 波:2.5~3.0m 気温:23度
今日の石垣島は、晴れたり曇ったり小雨がパラついたりの安定しない天気です。お昼くらいから風も強く吹いてきました。そんな訳で、1日の最高気温が23度の割りには、ちょっと肌寒い1日でした。
今日もお店の大改造計画(?)で海には出ていないのですが、ごちゃごちゃしたお店の中の写真をUPしても面白くないと思うので海の写真を!
和名; ホシズナ
英名; Star sand
学名; Baculogypsina sphaerulata
水中で撮影した生きてるホシズナの写真です。
お土産屋さんでビンに詰めて売られている星砂の生前(?)の姿です。
星砂のあるビーチと言えば竹富島のカイジ浜が有名ですが・・・・・気を付けて観察してると石垣島周辺のビーチでもわりと簡単に見つけることができます。
水中の生きてる状態のホシズナは、海藻類の表面にくっ付いてることが多いです。
自分の経験だけから言わせてもらえば、陸上よりも水中のほうがいろんな場所でホシズナを見つけてる気がします。
が、水中(ガイド中)では「なにかを見つけること!」に神経を集中させてるので、ただ単に集中力の違いで水中のほうがよく見かけてるだけかもしれません・・・?
学術的に言えば、ホシズナは有孔虫と言われる生き物の一種で、植物ではなく(もちろん鉱物でもありません!)動物に分類されます。
造礁サンゴと同じように、褐虫藻と呼ばれる植物性プランクトンを体内に取り込んで(共生して)光合成を行っているらしいです。
造礁サンゴなどの生き物(褐虫藻と共生している生き物)は、太陽の光を浴びて光合成をすることで、海水中に溶け込んだ二酸化炭素とカルシウムイオンを化学反応させ酸素と炭酸カルシウムを作り出します。
名称; 造礁サンゴ
英名; hermatypic coral
光合成により作り出された炭酸カルシウムはサンゴ礁を形成し、酸素はたくさんの生き物が生息できる生命力に溢れた海を作ります。
これはとっても重要なことで・・・・・
当たり前のことですが、動物は酸素のない環境では生きていけません!
陸上では、森林や熱帯雨林などが酸素を作り出す役割をして、動物と植物のサイクル(動物の作り出した二酸化炭素を植物が酸素に変えていく)ができています。
水中では、植物性プランクトンが森林や熱帯雨林に代わる役割りを果たしています。
しかし、植物性プランクトンの多い海(魚影の濃い海)は水が緑色に濁ってしまいます。緑色の濁りの原因となる植物性プランクトンが光合成をおこない酸素を作り生き物が棲息できる環境を作り上げています。
自然界のセオリー通りに考えれば
1.濁ってるけど生き物の豊富な海!
2.スッコーンと抜けてるけど生き物の少ない海!
どちらか2択しかないわけです。
植物が多いと緑色になるのは至極当然のことなのですが・・・・・まさに、「水清ければ魚棲まず」のことわざ通りの現象が起こってしまいます。
さー、どっちを選ぶ?
と、ダイバーにとっての究極の選択(?)を迫られることになってしまうのですが・・・・・
そんな、自然界のセオリーをくつがえす海の楽園がサンゴ礁なのです!
ではなぜ、サンゴ礁の海はクリアでブルーに抜けているのに生命力に満ち溢れているのかと言えば・・・・・海水中に植物性プランクトンが漂っていなくても、サンゴやサンゴに類似する生き物が酸素を作り出しているので、水はキレイでなおかつ様々な生き物が棲息していける環境が出来上がっているのです!
サンゴって・・・・・偉い!
そして、(簡単にホシズナを見つけることの出来る)八重山って・・・・・素晴らしい!
キレイでお魚たくさんの海を作ってくれてるサンゴに感謝しつつ、八重山の生命力に溢れた豊かな自然をこれからも守り続けていきたいですね!